集計範囲の定義
数式で集計の値を定義するために使用されるレコードは、通常 2 つの要素により決定されます。ビジュアライゼーションでの作業時は、次の 2 つの要素があります。
- 軸の値 (チャートの数式での集計の場合)
- 選択
この 2 つの要素によって集計範囲が決まります。選択、軸、またはその両方を無視して計算が必要となる場合があるとします。チャート関数では、TOTAL 修飾子、set 分析、またはその 2 つの組み合せを使用すると、これを実行できます。まとめ:
-
軸のグループ化を無視または調整するには: TOTAL 修飾子を使用
-
選択を無視または調整するには set 分析を使用
メソッド | 説明 |
---|---|
TOTAL 修飾子 |
集計関数内で TOTAL 修飾子を利用すると、軸の値が無視されます。 total 修飾子は、軸の値を無視して集計範囲を再定義するために、集計の内部で使用することができます。その結果、可能性のあるすべての項目の値について集計が代わりに実行されます。
TOTAL 修飾子の後には、山括弧で囲んだ 1 つ以上の項目名のリストを続けることができます。 例: Sum(TOTAL <Quarter> {<Year={2013}, Quarter={'Q2'}>} Amount) これらの項目名は、チャート軸のサブセットにする必要があります。この場合、リストされているものを除き、すべてのチャート軸を無視して計算が行われます。つまり、リストされている軸項目の項目値の組み合わせごとに 1 つの値が返されます。また、現在、チャートの軸ではない項目もリストに含めることができます。これは、軸項目が固定されていない場合に、軸をグループ化する場合に役立ちます。グループ内の軸がすべてリストされている場合、この関数はドリルダウン レベルが変更されても一貫した集計結果を返します。 角括弧内に例外を追加する例については、 例: 例外を持つ TOTAL 修飾子と set 分析 を参照してください。 |
set 分析 | 集計内部での set 分析の使用は、選択に優先します。これにより、軸全体で分割されているすべての値について集計が行われます。 |
TOTAL 修飾子と set 分析 |
TOTAL 修飾子と set 分析の集計内部での使用は選択に優先し、TOTAL 修飾子の後の角括弧内に記載された軸を除くすべての軸が無視されます。 |
ALL 修飾子 |
ALL 修飾子を集計内部で使用する場合は、選択と軸は無視されます。これは {1} set 分析のステートメントと TOTAL 修飾子でも同様です。 =sum(All Sales) =sum({1} Total Sales) |
例:TOTAL 修飾子
以下は、TOTAL 修飾子を使用した相対的なシェアの計算方法を示した例です。Q2 を選択した場合、TOTAL を使用すると軸が無視され、すべての値の合計が計算されます。
Year | Quarter | Sum(Amount) | Sum(TOTAL Amount) | Sum(Amount)/Sum(TOTAL Amount) |
---|---|---|---|---|
3000 | 3000 | 100% | ||
2012 | Q2 | 1700 | 3000 | 56,7% |
2013 | Q2 | 1300 | 3000 | 43,3% |
例: set 分析
以下は、set 分析を使用した選択前のデータ セット比較方法を示した例です。Q2 が選択されたと想定し、set 定義 {1} で set 分析を使用すると、あらゆる値の合計が計算され、選択は無視されますが、軸で分割されます。
Year | Quarter | Sum(Amount) | Sum({1} Amount) | Sum(Amount)/Sum({1} Amount) |
---|---|---|---|---|
3000 | 10800 | 27,8% | ||
2012 | Q1 | 0 | 1100 | 0% |
2012 | Q3 | 0 | 1400 | 0% |
2012 | Q4 | 0 | 1800 | 0% |
2012 | Q2 | 1700 | 1700 | 100% |
2013 | Q1 | 0 | 1000 | 0% |
2013 | Q3 | 0 | 1100 | 0% |
2013 | Q4 | 0 | 1400 | 0% |
2013 | Q2 | 1300 | 1300 | 100% |
例: TOTAL 修飾子と set 分析 ({1} 識別子)
以下は、選択前に実施する set 分析と TOTAL 修飾子を組み合せたすべての軸のデータ セット比較方法を示した例です。Q2 を選択した場合、set 定義 {1} と TOTAL 修飾子の set 分析を使用すると、項目選択と軸は無視され、あらゆる値の合計が計算されます。
Year | Quarter | Sum(Amount) | Sum({1} TOTAL Amount) | Sum(Amount)/Sum({1} TOTAL Amount) |
---|---|---|---|---|
3000 | 10800 | 27,8% | ||
2012 | Q2 | 1700 | 10800 | 15,7% |
2013 | Q2 | 1300 | 10800 | 12% |
例:TOTAL 修飾子と set 分析 (基準値とのデータ比較)
以下の例では、set 分析とTOTAL 修飾子を使用してテーブルに参照列を作成し、メトリクスの行レベルの比較を簡単に行う方法を示します。データを理解しやすくし、消費しやすくするために、メジャーの列にラベルを付けます。
2013 年第 2 四半期のデータは、テーブル内の他のすべての値と比較するための参照値として使用されています。
次の手順を実行します。
-
テーブルをシートに追加します。
-
次の項目を軸として追加します。
-
Year
-
Quarter
-
-
次のメジャーを追加します。
Sum(Amount)
-
追加したメジャーのプロパティで、メジャーに以下のラベルを付けます: Total Sales
-
次のメジャーを追加します。
Sum(TOTAL {<Year={2013}, Quarter={'Q2'}>} Amount)
-
追加したメジャーのプロパティで、メジャーに以下のラベルを付けます: Reference Quarter (2013-Q2) Total Sales
-
次のメジャーを追加します。
round((sum(Amount) / sum(total {<Year={2013}, Quarter={'Q2'}>} Amount))*100,'0.01') & '%'
-
追加したメジャーのプロパティで、メジャーに以下のラベルを付けます: Rounded Quotient - Total Sales Compared to Reference Quarter (2013-Q2)
何も選択しない場合、表は次のようになります:
Year | Quarter | Total Sales | Reference Quarter (2013-Q2) Total Sales | Rounded Quotient - Total Sales Compared to Reference Quarter (2013-Q2) |
---|---|---|---|---|
2012 | Q1 | 1100 | 1300 | 84.62% |
2012 | Q2 | 1700 | 1300 | 130.77% |
2012 | Q3 | 1400 | 1300 | 107.69% |
2012 | Q4 | 1800 | 1300 | 138.46% |
2013 | Q1 | 1000 | 1300 | 76.92% |
2013 | Q2 | 1300 | 1300 | 100.00% |
2013 | Q3 | 1100 | 1300 | 84.62% |
2013 | Q4 | 1400 | 1300 | 107.69% |
例: 例外を持つ TOTAL 修飾子と set 分析
次の例は、TOTAL 修飾子の使い方を示していますが、この修飾子の例外を角括弧で囲んでいます。この例では、set 分析も使用しています。
次の手順を実行します。
-
テーブルをシートに追加します。
-
次の項目を軸として追加します。
-
Year
-
Quarter
-
-
次のメジャーを追加します。
Sum(Amount)
-
追加したメジャーのプロパティで、メジャーに以下のラベルを付けます: Total Sales
-
次のメジャーを追加します。
Sum(TOTAL <Quarter> {<Year={2013}, Quarter={'Q2'}>} Amount)
-
追加したメジャーのプロパティで、メジャーに以下のラベルを付けます: Reference Quarter (2013-Q2) Total Sales
Year | Quarter | Total Sales | Reference Quarter (2013-Q2) Total Sales |
---|---|---|---|
2012 | Q1 | 1100 | 0 |
2012 | Q2 | 1700 | 1300 |
2012 | Q3 | 1400 | 0 |
2012 | Q4 | 1800 | 0 |
2013 | Q1 | 1000 | 0 |
2013 | Q2 | 1300 | 1300 |
2013 | Q3 | 1100 | 0 |
2013 | Q4 | 1400 | 0 |
参照列式は以下のように解釈されます:
-
set 式 {<Year={2013}, Quarter={'Q2'}>} は、入力データを Year が 2013 で Quarter が Q2 のレコードに制限します。
-
TOTAL 修飾子は、テーブル内のすべての軸が無視されるようにします。ただし、<Quarter> 修飾子の場合、Quarter の軸は例外となります。
このページの例で使用されているデータ
例で使用されているデータ:
AggregationScope:
LOAD * inline [
Year Quarter Amount
2012 Q1 1100
2012 Q2 1700
2012 Q3 1400
2012 Q4 1800
2013 Q1 1000
2013 Q2 1300
2013 Q3 1100
2013 Q4 1400] (delimiter is ' ');