z/OS における R4Z 製品のインストールおよびアップグレード
このセクションでは、z/OS における R4Z 製品のインストール方法およびアップグレード方法を説明します。
z/OS における R4Z 製品のインストール
下記の構成手順には、INSTALL ライブラリにあるジョブの送信が含まれます ( <r4z-vnd-hlq>.INSTALL
in R4Z 製品ライブラリとして参照される)。各ジョブは、その JCLLIB として、INSTALL ライブラリ(またはそのコピー)が必要で、サイト規制に準拠した、カードとJES コントロール ステートメントの両方を備えている必要があります。
処理環境へのインストールの適用
インストール プロセスにおいて、ライブラリ内の「DO*」という接頭辞の付いたメンバーのほとんどを送信する必要があります。これらのメンバーを送信する前に、次のように編集する必要があります。
- ジョブ名、ジョブ カードパラメーター、JES コントロール ステートメントは、お使いのシステム要件に合うように設定してください。
- JCLLIB ORDER パラメーターで指定された
ライブラリを、INSTALL ライブラリとして
設定します。
そのため、ジョブの送信前に、更新されたすべての「DO」ジョブを含む JCL ライブラリを作成する必要があります。すべての CDC サービスに対して、1 つのジョブセットを作成する場合は、<r4z-hlq>.COMMON.CNTLという名前を JCL ライブラリにアサインすることを推奨します。 <r4z-hlq>.COMMON.CNTL
それ以外の場合は、DSNAME ノードとして、CDC サービス修飾子を使用します。例: <r4z-bsc-hlq>.<CDC-qual>.CNTL
.
インストール キットには、接頭辞「UN*」のメンバーが含まれています。「UN」で始まる各ジョブは、「DO」で始まる同名のジョブの UNDO アクションを実行します。これらのジョブを使用する必要がある場合は、「DO」ジョブに適用したのと同様の変更を行ってください。
ステップ 1: INSTALL ライブラリの設定には、 メンバーが含まれます。
ジョブを実行する前に、下記の JCL 記号 を設定する必要があります。R4Z 処理の構成に、「DO」ジョブが JCL 記号を使用するためです。これらの値を変更するには、まず元の値で「UNDO」ジョブを実行し、次に新しい値で「DO」ジョブを実行する必要があります。
DFSYMLST | INCMEM: 一般的なシステムリソースの定義 | インストールにつき、1 回 |
設定: &SSID, &PROCLIB, &DB2HLVL, &CEERUNL, &DB2LOADL, &DB2EXITL, &DB2RUNL, &DB2VER, &R4ZHLVL, &R4ZLOADL, &R4ZINSTL, &R4ZCNFGL, &R4ZUSER, &DEFWLMAE, &ALCSMS, &ALCSMSPM, &ALCVLSER |
このメンバーを編集して、このライブラリで使用する JCL 記号を設定し、メンバーを保存(上書き)します。これらの記号は、下表インストール記号 に示すとおりです。
下記は、パラメーターのいくつかの詳細な説明です:
- R4Z 製品ライブラリ名を指定するパラメーター:
&R4ZHLVL
- R4Z INSTALL、LOAD、CONFIG の各ライブラリに共通する高レベルの修飾子、つまりこれらのライブラリ名のうち最も長い共通部分、を設定します:&R4ZVNDH
- INSTALL および LOAD ライブラリの受信時に、<r4z_vnd_HLQ>
使用した値を設定します。&R4ZBSCH
- CONFIG ライブラリの作成時に使用する、<r4z_bsc_HLQ>
選択した値を設定します。&R4ZINSTL, &R4ZLOADL, &R4ZCNFGL
- 上記の記号に基づいて、DFSYMLST メンバー内で設定された値と異なる場合のみ指定します。
- DASD の割り当てを制御するパラメーター:
ALCSMSPM, &ALCVLSER
- これらのパラメーターは、CONFIG ライブラリ、およびいくつかの中間データセットが割り当てられるボリュームを指定するときに使用します。&ALCSMSPM
次のフォーマットにおいて、
SMS 割り当て属性を、カンマ区切り、スペース区切りの文字列で指定するときに使用します。'[STORCLAS=…][,MGMTCLAS=…][,DATACLAS=…] '
&ALCVLSER
ボリュームシリアルを
指定するときに使用します。SMS 管理による割り当てが、ACS ルーチンによって稼働する場合、すべての属性を除外し、次のように指定できます
&ALCSMSPM
=' '(単一のスペース) 代わりに。次のように指定する場合、
を指定する場合
=' '(単一のスペース), 値を指定する必要があります指定する
必要があります非 SMS 管理の割り当てについては、ボリュームシリアルを指定するときに
&ALCVLSER を
使用します。
-
CDC サービスおよび UDF関連の変数:
DFSYMPER CDC サービス修飾子に基づいて、UDF、WLM アプリケーション env、STC プロシージャの名前を定義 R4Z インストールあたり 使用:
&CDCSRV
設定:
&R4ZWLMPR, &R4ZAPPNV, &R4ZIFITF, &R4ZSCNM, &STCUSER, &UDFUSER
DFSYMONE CDC サービスを 1 つ使用することを想定し、UDF、WLM アプリケーション env、 STCプロシージャの名前を定義 DB2 サブシステムあたり 設定:
&R4ZWLMPR, &R4ZAPPNV, &R4ZIFITF, &R4ZSCNM, &STCUSER, &UDFUSER
DEFWLMAE、ONE または PER に選択された値に応じて、メンバー DFSYMONE または DFSYMPER をそれぞれ編集し、CDC リーダー UDTFの、WLM APPLENV、WLM JCL プロシージャの値を選択します。
DFSYMPER メンバーでは、これらの名前は、名前の接頭辞を指定する記号により形成され、CDC サービスを指定する 4 文字の修飾子が続きます。APPLENV 名または UDTF 名の末尾にあるダブルアンダースコアを削除しないでください。これらは区切り文字として使用され、名前付きリソースに関連付けられる CDC サービスを示します。
ステップ 2: 構成アクションを実行する
-
R4Z LOAD ライブラリを APF 認証として設定します。
(IPL または APF の次の更新まで) ライブラリを 一時的に APF 認証として設定するには、次のシステム コマンドのうち一つを実行することができます:
-
非 SMS 管理データセットには:
setprog apf,add,dsn=<xmit-HLQ>.LOAD,volume=<volser>
-
SMS 管理データセットには:
setprog apf,add,dsn=(<xmit-HLQ>.LOAD,sms
設定を永続させるには、PARMLIB の PROGxx メンバーにライブラリーを追加してください。
-
- WLM アプリケーションを設定して、CDC 処理を実行します。
DO2WLMAE
WLM アプリケーション環境を定義
CDC サービスあたり
受信: &CDCSRV
使用: &R4ZAPPNV, &R4ZWLMPR, &CEERUNL, &DB2EXITL, &DB2LOADL, &DB2RUNL
DO2WLMPR
WLM STC の JCL プロシージャを作成
WLM 手順あたり
受信: &CDCSRV
使用: &PROCLIB, &R4ZWLMPR, &SSID
DO2WLMPV
ジョブ: WLM サーバーを RACF のリソースとして定義し、APPLENV および DB2 サブシステムがそれを使用する権限を付与する場合
CDC サービスおよび WLM プロシージャあたり
受信: &CDCSRV
使用: &R4ZAPPNV, &R4ZWLMPR, &STCUSER
DEFALMAE の設定値に応じて、関連する CDC サービス修飾子を使って JCL 記号 CDCSRV を設定後、(ONEが選択された場合は) 1 回、または (PERが選択された場合は) 定義される各 CDC サービスの PER に、次のジョブを実行します。ジョブ DO2WLMAE を編集します。関連する CDC サービス修飾子に、記号 &CDCSRV を設定し、送信します。ジョブが WLM ポリシーデータセットの WLM APPLENV を定義し、それを有効にします。
前提条件:
&R4ZWLMPR は、WLMが使用する起動タスク名です。起動したタスクに有効なユーザーを関連付け、そのユーザーに &STCUSER を設定する必要があります。
送信者は、WLM ポリシーの問い合わせと更新のために、MVSADMIN.WLM.POLICYへの UPDATE アクセス権が必要です。
- &PROCLIB 記号の DSSYMLST で指定された手順ライブラリの UPDATE
ジョブ DO2WLMPR を編集します。関連する CDC サービス修飾子に、記号 &CDCSRV を設定し、送信します。ジョブが APPLENV の JCL プロシージャを作成し、RC 0 で停止します。
承認:
PROCLIB ライブラリの UPDATE。
ジョブ DO2WLMPV を編集します。関連する CDC サービス修飾子に、記号 &CDCSRV を設定し、送信します。ジョブが APPLENV の RACF 特権を設定し、WLM サーバーを使用し、DB2 サブシステムが呼び出します。ジョブが RC 0 で停止します。
承認:
クラス SERVER 上の ALTER
RACF 以外のセキュリティ パッケージ (CA-TSS または CA-ACF2) を使用している場合、お使いのセキュリティパッケージに関連するコマンドを実行する必要があります。
CDC リーダー UDTF を作成する。
DO3SRVDF | デフォルトの CDC サービス UDTF を作成 | DB2 サブシステムあたり |
使用: &R4ZSCNM, &R4ZIFITF, &R4ZCNFGL, &ALCSMS, &ALCSMSPM, &ALCVLSER, &SSID, &DB2EXITL, &DB2LOADL, &DB2RUNL, &UDFUSER |
||
DO3SRVTF | 特定の CDC サービスで使用する UDTF を作成 | CDC サービスおよび DB2 サブシステムあたり |
受信: &CDCSRV 使用: &R4ZSCNM, &R4ZIFITF, &R4ZCNFGL, &ALCSMS, &ALCSMSPM, &ALCVLSER, &SSID, &DB2EXITL, &DB2LOADL, &DB2RUNL, &UDFUSER |
最初のジョブは、(スキーマ名 R4ZSCNMの下に) &R4ZIFITF という特定の名前のデフォルトサービス UDTF を作成し、&UDFUSER にその実行を許可します。また、「supplied」 CDC サービスである CDC1(このようなメンバー CONFIG ライブラリを 作成することによって) をインスタンス化し、デフォルトの構成で設定します。このジョブは最初に実行する必要があります。
2 番目のジョブは、明示的に定義された各 CDC サービスごとに実行され、各 UDF が CDC1 サービスからインスタンス化された特定の CDC サービスに関連付けられる以外は、1 番目のジョブと全く同様に実行されます。
-
ジョブ DO3SRVDF を実行します。これにより下記が実行されます:
- デフォルトの CDC サービス(CDC1)に関連付けられる、接尾辞のない名前の UDTF を作成します。
- CONFIG ライブラリを作成し、CDC サービス関連のメンバーが存在しない場合に使用する、CDCS という名前のメンバーを配置します。
ジョブは、RC 4 で
停止
4
. -
定義したい CDC サービスごとに、ジョブ DO3SRVTF を編集します。関連する CDC サービス修飾子に、記号 &CDCSRV を設定し、送信します。これにより下記が実行されます:
- デフォルトの CDC サービス「&CDCSRV」に関連する、名前に「__&CDCSRV」という接尾辞の付いた UDTF を作成します。
- CONFIG ライブラリに「&CDCSRV」という名前のメンバーを作成します。
- 関連する CDC サービス修飾子 (xxxx) を使って、JCL 記号 CDCSRV を設定し、ジョブを送信します。
ジョブは、RC 4 で
停止
4
.-
承認:
送信者ユーザーは、次の承認のうち 1 つを必要とします。
- SYSADM または SYSCTRL 権限。
- &R4ZSCNM で指定されたスキーマにおける、CREATEIN
&R4ZSCNM.
特定のユーザー ID が CDC タスクを実行することを可能にする。
DO4GRANT | ODBC ユーザーに、カタログ表へのアクセス権限、および CDC 読み取り権限を付与します。 | DB2 サブシステムあたり |
使用: &R4ZUSER, &SSID, &DB2EXITL, &DB2LOADL, &DB2RUNLR |
このジョブにより、ユーザーIDがODBCインタラクションに対して選択されるようにできます。これは、「ODBC ユーザー」です。つまり、(DB2関連で) CDC データおよび DB2 カタログ表の読み取り権限を持つユーザーです。
ODBC ユーザー自身からジョブを送信しても意味がありません (ユーザーは自分に特権を付与できないため)、権限を付与する先のユーザーが特権を持っていないのにジョブを送信しても意味がありません。
ジョブ DO4GRANT を実行します。これにより下記が実行されます:
-
次の表の ODBC ユーザーへの GRANT SELECT :
- SYSIBM.SYSTABLES
- SYSIBM.SYSTABLESPACE
- SYSIBM.SYSCOLUMNS
- SYSIBM.SYSROUTINES
- SYSIBM.SYSDUMMY1
- DATA CAPTURE を可能にする ALTER SYSIBM.SYSTABLES
ジョブは、RC 0 または RC 4 で
停止 します
.
承認:
送信者ユーザーは、次の承認のうちいずれか 1 つを必要とします。
- SYSADM または SYSCTRL 権限。
- 付与選択肢付き TRACE/ MONITOR2 。
-
PERMIT MVS.CANCEL.STC.mbrname.*と呼ばれる OPERCMDS の PROFILE を定義
RDEFINE OPERCMDS MVS.CANCEL.STC.mbrname.* UACC(NONE) SETROPTS REFRESH RACLIST(OPERCMDS)
次の条件を使用します
mbrname
起動タスク名です。 -
WLM 起動 TASK に割り当てられた USERID に、起動タスクをキャンセルする権限を付与します:
PERMIT MVS.CANCEL.STC.mbrname.* CL(OPERCMDS) ACCESS(UPDATE) ID(stcuser)
次の条件を使用します
stcuser
WLM 起動 TASK に関連した USERID です。
フル ロード – フル ロード プロセスは、利用可能なすべての ZIIP プロセッサを使用します。ベスト プラクティスは、プロセスがオンライン作業負荷よりも低く分類されるように、パフォーマンス目標を設定することです。非常に混雑したシステムでは、フルロードに割り当てられたサービス クラスの Honor Priority を NO に 設定することを 検討すると よい でしょう。これには、z/OS 2.1 + OA50845 or z/OS 2.2 以上が必要です。
CDC ベストプラクティスは、CDC プロセスのパフォーマンス目標を、すべてのオンライン作業不可と同等にして、フルロード目標よりも高く設定することです。これらのプロセスは、次のいずれかの方法で分類することができます:
- WLM アプリケーション環境起動タスク名
- 「プロシージャ名」がある DDF 分類
z/OS における R4Z 製品の移行について
既に旧バージョンの製品がインストールされ動作している環境では、新バージョンのインストールを開始する前に、この手順を完了することが必須です。
R4Z をアップグレードして現在のインストールを上書きする場合、または現在インストールされたバージョンを上書きせずにR4Z をアップグレードする場合は、次の手順を実行する必要があります。
R4Z をアップグレードして現在のインストールを上書きする場合、次の手順で、R4Z を使用しているすべてのCDCサービスを停止してください。
-
次の operator コマンドを使用して、WLM アプリケーション環境を静止させ、クライアントが準備完了前に CDC サービスを自動起動しないようにします。
VARY WLM,APPLENV=<applic.env-name>,Q
置き換えるバージョンの LOAD ライブラリを指定したJCL プロシージャを使用して、すべてのアプリケーション環境に対してこの手順を繰り返します。ホストが Parallel Sysplex の場合、コマンドの前に、
ROUT *ALL を付けて、
プレックス内の全システムをルーティングします。 -
R4ZUTIL TERMINATE verb
を使用して、
現在 CDC サービスで使用されているすべてのシステムリソースを開放します。これを実行する可能性のあるすべての LPAR で繰り返します (ソース DB2 がそれらのシステムでデータ共有メンバーを持っている場合)。