ダイナミック ビューによるデータの管理
ダイナミック ビューにより、ユーザーは参照したい分析ソースと、ビジュアライゼーションでデータを更新する時期の両方を直接コントロールできます。
ダイナミック ビューにより、選択を決定するとともに動的に更新される、チャート内の大型データ セットの関連するサブセットをクエリしたり、表示したりできるようになります。これにより、大量のデータまたはデータが急速に変化するシナリオにおける最新のビジュアライゼーションが可能になります。
ダイナミック ビューの概要
ダイナミック ビューで、ベース アプリを別のアプリに接続できます。そうするとベース アプリで、接続したアプリからのマスター ビジュアライゼーションの使用が可能です。これによりアプリ作成者は、テンプレート アプリからのマスター ビジュアライゼーションをその他のアプリでダイナミック チャートとして使用できるようになります。ベース アプリに追加できるダイナミック ビューの数に制限はありません。
ダイナミック ビューは、次の 3 つの主要なコンポーネントを基にしています。
- ダイナミック ビュー: テンプレート アプリに接続するベース アプリに追加されたメカニズムで、アプリ作成者は、テンプレート アプリからのマスター ビジュアライゼーションをベース アプリに追加できるようになります。
- ダイナミック ビュー テンプレート アプリ: クラウド データベースなどのデータ ソースへの接続が含まれる Qlik Sense アプリです。
- ダイナミック チャート: ダイナミック ビューのテンプレート アプリにあるマスター ビジュアライゼーションで、ベース アプリに追加したり、ユーザにより手動で更新したりできます。
テンプレート アプリとベース アプリで同じデータを使用する必要はありません。顧客の購入データ セットがある場合、気象データを含むテンプレート アプリをダイナミック ビューに追加して、相関性を調べることができます。
ベース アプリの値を使用して、テンプレート アプリのソースからクエリされたデータをフィルターできる場合、テンプレート アプリのスクリプトでバインド数式を使用できます。これによりダイナミック ビューは、テンプレート アプリのデータ ソースからのベース アプリにある選択に、特に関連のあるデータのサブセットのみをクエリできるようになります。例えば、ベース アプリの SalesDate という項目を、テンプレートアプリの DailyTemperatureReadingDate という項目にバインドすることができます。
このサブセット機能は、ベース アプリが集計データを含んでおり、ダイナミック ビューのデータは同じソースではあるものの、ベース アプリのデータよりも粒度が細かい (例: ベース アプリには月次の売上高と製品のブランドが含まれ、テンプレート アプリには日次の売上高と製品名が含まれる) 場合に有用です。テンプレート アプリへのバインド数式の追加に関する詳細については、「On-demand テンプレート アプリのバインディング数式」を参照してください。
ダイナミック ビューでは、あらゆる種類のデータが使用できます。ダイナミック ビューは、大量のデータまたはデータが急速に変化するシナリオの取り扱いといった、データベースでデータ集計を実行したほうが良い場合に特に有用です。これは、データ ソースからのデータ転送の遅延を避けるのに役立ちます。
ダイナミック ビューは、シート編集モードの [アセット] パネルからアクセスできます。 ダイナミック ビューは、Administration アクティビティ センターのテナント管理者により有効化できます。ダイナミック ビューを有効にする方法については、「Administration アクティビティ センターを使用する」を参照してください。
ダイナミック ビューは、On-demand アプリの生成と類似しています。両方とも On-demand データを提供するためにテンプレート アプリを使用しますが、ダイナミック ビューでは、On-demand アプリ全体を生成するのではなく、シート内で個別のチャートが使用できるようにします。On-demand アプリも使用している場合は、On-demand テンプレート アプリを使用してダイナミック ビューを作成できます。On-demand アプリ生成の詳細については、「On-demand アプリによるビッグ データの管理」を参照してください。
ダイナミック ビュー
ダイナミック ビューを作成する際、テンプレート アプリを選択し、オプションとして行を制限する数式を適用してダイナミック ビューがアクセスするデータ量を管理します。ダイナミック ビューが作成された後、シートにテンプレート アプリからのマスター ビジュアライゼーションを追加できます。
複数のダイナミック ビューで、同一のテンプレート アプリを使用できます。各ダイナミック ビューは、個別に更新されます。ダイナミック ビューのテンプレート アプリ スクリプトでバインド数式が使用されている場合、そのテンプレート アプリを使用する各ダイナミック ビューにどのデータをロードするかをベース アプリ内の選択によりコントロールできます。たとえば、同一のテンプレート アプリを使用する 2 つのダイナミック ビューがあるとします。そして、ベース アプリの SaledDate から 2018 年 1 月 1 日を選択し、一方のダイナミック ビューを更新します。それから選択を 2019 年 1 月 1 日へと変更し、もう一方のダイナミック ビューを更新すると、ダイナミック チャートを比較できます。
ダイナミック ビューの作成と編集については「ダイナミック ビューによるデータの管理」を参照してください。
ダイナミック ビューの使用については、「ダイナミック ビューとダイナミック チャートの使用」を参照してください。
ダイナミック ビューのテンプレート アプリ
ダイナミック ビューのテンプレート アプリは、データとマスター ビジュアライゼーションを供給するために使用される Qlik Sense アプリです。
ダイナミック ビューのテンプレートには、ベース アプリ内の選択に基づくデータ ソース上でクエリを作成するために使用する、バインディング数式を含んだロード スクリプトをもたせることできます。バインディング数式は通常、Qlik Sense ロード スクリプトを書いた経験のあるユーザーによって作成されます。テンプレート アプリには、ダイナミック チャートのアクティベーション中に供給される入力パラメーターに基づいた、クエリのフィルター条件をもたせることができます。
ダイナミック ビューのテンプレート アプリのデータ モデルが完了すると、マスター ビジュアライゼーションにテンプレート アプリを追加できます。こうしたマスター ビジュアライゼーションは、ダイナミック ビューを経由してアクセスしたり、他のアプリでダイナミック チャートとして追加したりできます。
テンプレート アプリの作成については、「On-demand テンプレート アプリの作成」を参照してください。
ダイナミック チャート
ダイナミック チャートは、ダイナミック ビューのテンプレート アプリのマスター チャートから抽出されます。ダイナミック チャートは、ダイナミック ビューを使用して他のアプリのシートに追加できます。他の Qlik Sense チャートと異なり、ユーザーはチャートの更新オプションを使用して、ダイナミック ビューのソース データを更新するタイミングをコントロールできます。ダイナミック ビューのデータがバインド数式によりコントロールされている場合は、Qlik Sense がベース アプリの選択ステートを追跡します。ベース アプリの選択ステートが変更されるたびに、ダイナミック ビューのバインド項目の新しい値のセットは、ビューの前回更新時に使用された値と合致しなくなるため、ダイナミック ビューの各チャートには古いデータを意味するアイコンが表示されます。
ダイナミック チャートの使用については、「ダイナミック ビューとダイナミック チャートの使用」を参照してください。
ダイナミック ビューの制限
ダイナミック ビューには、次の制限があります。
- ストーリーは、ダイナミック ビューに非対応です。ダイナミック チャートのスナップショットはストーリーに追加できますが、ダイナミック チャートでソースに移動することはできません。
- Qlik NPrinting は、ダイナミック ビューに非対応です。
- ダイナミック ビューは、ダッシュボード バンドルとビジュアライゼーション バンドルの拡張に対応しています。その他の拡張は非対応です。
- アプリの所有権でダイナミック ビューの所有権が変更されることはありません。
- 管理スペースにあるアプリ内に、ダイナミック ビューを作成することはできません。
- Qlik Sense Desktop では、ダイナミック ビューが非対応です。
- Qlik Sense Mobile SaaS では、ダイナミック ビューが非対応です。
- 動的チャートをコンテナに配置することはできません。
- Trellis コンテナおよびコンテナは、動的ビューのマスター チャートとしてサポートされていません。
スペースとダイナミック ビュー
自分の個人スペースにある自分のアプリを使用して、ダイナミック ビューをテンプレート アプリとして作成できます。ダイナミック チャートで該当アプリにアクセスできる他のユーザーは、ダイナミック チャートの表示や更新が可能です。
共有スペースの他のユーザーにより作成されたアプリを使用して、ダイナミック ビューを作成できます。テンプレート アプリが含まれる共有スペースで、[編集可能]、[アプリでデータ編集可能]、[管理可能] または [所有者] の権限が必要です。ソース テンプレート アプリでダイナミック チャートを編集できるのは、テンプレート アプリの所有者のみです。
アプリの所有者のみが、アプリに新しいダイナミック ビューを追加できます。しかし、アプリへのアクセス権があるユーザーは、アプリに追加されたすべてのダイナミック ビューを使用できます。
管理スペースにあるアプリ内に、ダイナミック ビューを作成することはできません。管理スペースにあるアプリをテンプレート アプリとして使用することはできません。管理スペースに公開されたアプリのダイナミック チャートは引き続き更新でき、ユーザーはダイナミック チャートで選択を決定できます。