共有ファイルのクリーンアップと変換
QlikView 共有ファイル クリーンアップ ツールは、システム管理者が共有ファイルを確認 (分析) および削除 (修復) するために使用するコマンド ライン ツールです。このツールはまた、異なる形式の共有ファイルを変換するためにも使用できます。「共有ファイルの変換」を参照してください。このツールを呼び出すには、QlikView Server 実行可能ファイル (QVS.exe) を特別なパラメーターで実行します。
クリーンアップ ツールで使用可能なモードは 2 つあり、それぞれ異なるコマンドライン パラメーターで指定します。
確認モード
-v パラメーターを使用して、コマンドラインで指定した共有ファイルを分析します。分析中に、クリーンアップ ツールは 1 つ以上の無効または破損したオブジェクトのエントリがあるかどうかを検出します。次に QVS は無効なエントリに関してできる限り多くの情報をログに書き込みます。
削除モード
-p パラメーターを使用して共有ファイルを確認し、その後破損したエントリを削除して新しい共有ファイルを作成します。クリーンアップ バージョンは、オリジナルと同じフォルダーに配置されます。新しいファイルでは、サフィックス _clean が .Shared または .Tshared の形式の後に使用されます。オリジナルの共有ファイルは上書きされません。この後、オリジナルの共有ファイルをクリーンアップ バージョンに置き換えることもできます。
共有ファイルの変換
共有ファイルを作成する場合は、オリジナルの形式またはトランザクション形式で保存できます。オリジナルの形式は末尾が .Shared で、トランザクション形式の共有ファイルは末尾が .TShared になっていることで識別できます。.TShared を使用したトランザクション形式の共有ファイルの方が、ネットワーク エラー、停電、ディスク容量不足などの障害の場合でも安定性が高くなります。.TShared 形式は 16 EB (エクサバイト) までのサイズをこなせるため、2 GB を超える場合にはこの形式を使用することをお勧めします。
オリジナルとトランザクションの 2 つの異なる形式は、同じサーバー上の異なるアプリケーションに同時に使用することができます。ただし、ひとつのアプリケーションの中ではどちらか一方 (.Shared または .TShared) しか使用できません。新規の共有ファイルを作成する時点で、Settings.ini ファイル内で規定してください。QlikView Server の場合、Settings.ini ファイルは C:\ProgramData\QlikTech\QlikViewServer にあります。
ファイル形式の設定:
DefaultBlobDbType=0
この設定の場合、新しい共有ファイルは .Shared 形式で作成されます。
DefaultBlobDbType=1
この設定の場合、新しい共有ファイルは .TShared 形式で作成されます。
共有ファイルの変換は、QlikView 共有ファイルのクリーンアップ コマンドでも実行できます (下のタブ、およびページ下の 例 セクションの例 n.4 を参照してください)。
共有ファイル内容の所有者の設定および変更
QMC でサーバー オブジェクトの所有者を変更することができますが、一部のオブジェクト タイプの場合 (「DocumentContent」、「InputFieldValues」および「ObjectContent」)、この方法で所有者を変更することはできません。この場合に所有者を変更するには、クリーンアップ ツールで -so (所有者を設定) または -ro (所有者を置き換え) パラメーターを使用する必要があります。これらのパラメーターは削除モードで使用することをお勧めします。
クリーンアップ ツールのコマンドの形式
クリーンアップ ツールのコマンドの形式は次のとおりです。
次の表は、それぞれのコマンド パラメーターについて説明しています。
パラメータ | 説明 |
---|---|
QVS_executable_path | QVS 実行可能ファイル (QVS.exe) を含んでいるシステム フォルダーへのフル パス。 |
-x | -x パラメーターは、QVS にクリーンアップ ツールのみを実行するように指示します。 |
Shared_file_path | クリーンアップする共有ファイルへのパス。 ディレクトリへのパスまたはファイルへのパスを受け入れます。
|
Cleaning_tool_mode |
|
Output format |
[オプション] -f (出力形式を指定) パラメータは、クリーニング ツールによる共有ファイル形式間の変換を可能にします。 形式は、same、origまたは tx (例: -f tx) のように指定することができます。
形式 (-f パラメータ) を指定していない場合、既定値の same が使用されます。 |
Ownership |
|
Delete_user_entries |
複数のユーザーを削除する必要がある場合、この項目ではファイルへのパスを受け入れます
QlikView Server にアクセスしたことのあるユーザーのリストを取得するには、Governance Dashboard アプリケーションを使用します。Qlik Communityから無償で入手できます (ここ (英語のみ) で関連ドキュメントを参照してください)。 ユーザーの一覧は、ガバナンスダッシュボードの [操作/セッション] サブタブにある ListBox の [Athenticated User] を csv 形式にエクスポートすることで簡単に抽出することができます。その後、リストを編集し (共有ファイルから削除するユーザーのみを維持します)、クリーンアップ ツールに入力として渡すことができます。 |
-l Log_folder_path | [オプション] 生成されたログ ファイルの場所を変更する場合は、-l を使用してログ フォルダーのパスを指定します。 |
-rBM BM_size | [オプション] -rBM パラメーターを使用して、大きなブックマークを共有ファイルから削除します。<BM_size> (バイト単位) より大きいすべてのブックマークが削除されます。 |
-o Shared_file_save_path |
[オプション] -o パラメーターを使用して、共有ファイルが保存されている場所へのパスを変更します。 |
共有ファイル クリーンアップ ツールの使用
共有ファイル クリーンアップ ツールは、管理者モードで Windows コマンド プロンプトを使用して実行します。次の手順を実行します。
このクリーンアップ プロセスでは共有ファイルが完全に再生成されます。これによりファイルの断片化に関する問題が解決するとともに、サイズとアクセス時間も縮減できる場合があります。
- QVS 実行可能ファイルのコピーを作成します。デフォルトでは、QVS.exe は C:\Program Files\QlikView\Server にインストールされています。
- QVS.exe のコピーが格納されているフォルダーに移動し、クリーンアップ ツールを検証モードで実行します。例:
"C:\<Temporary_path>\QVS.exe –x “C:\ProgramData\QlikTech\Documents\FinanceAnalysis.qvw.Shared” –v - CleaningTool_MACHINENAME.log 確認ファイル ログを見つけます。コマンドでログを指定しなかった場合は、デフォルトで C:\ProgramData\QlikTech\QlikViewServer に保存されます。
共有ファイル オブジェクトが破損している場合、そのオブジェクトのそれぞれの種類がログに示されます。破損したエントリを特定できた場合は、オブジェクト ID が示されます。
- 破損したエントリがある場合、再度クリーンアップ ツールを削除モードで実行します。
削除プロセスで破損したオブジェクトが削除または修正されて、新しい共有ファイルが作成されます。サフィックス _clean で識別できる新しいファイル (例:MYFILENAME.QVW.TShared_clean) は、ソース共有ファイルと同じフォルダ内に配置されます。
- 古い破損した共有ファイルを新しいファイルと置き換えます。この操作はどの QlikView Server サービスも稼働していないときに行う必要があります。
例
例1: 共有ファイルの分析
Windows コマンド プロンプトで次のコマンドを実行して共有ファイルを分析し、C:\logs フォルダー内にログ ファイルを作成します。
例2: ファイル所有者の設定
Windows コマンド プロンプトで次のコマンドを実行して、共有ファイル内のサーバー オブジェクトの所有者をユーザー UserX に設定します。
例3: ファイル所有者の置き換え
Windows コマンド プロンプトで次のコマンドを実行して、共有ファイル内のサーバー オブジェクトの所有者を UserX から UserY に置き換えます。
例4: 出力形式の変更
Windows コマンド プロンプトで次のコマンドを実行すると、オリジナルの共有ファイルの形式を新しい形式に変換できます。
例5: 特定のユーザーからの非共有エントリの削除
Windows のコマンド プロンプトで次のコマンドを実行すると、指定したユーザー UserX に関連付けられている非共有エントリがすべて削除されます。
例6: テキスト ファイルで指定されているユーザー セットからのすべてのエントリの削除
Windows のコマンド プロンプトで次のコマンドを実行すると、Users.txt 列テキスト ファイルで指定されているユーザーのリストに関連付けられているすべてのエントリ (共有エントリを含む) が削除されます。
Users.txt ファイルの例:
DOMAIN\User1
DOMAIN\User2
DOMAIN\User3
…
DOMAIN\UserX
例7: テキスト ファイルで指定されているユーザー セットからのすべてのエントリの削除 (フォルダー全体から)
フォルダー内の共有ファイルのセット全体を、削除対象のユーザーの共通リストで処理するオプションもあります。
Windows のコマンド プロンプトで次のコマンドを実行すると、Users.txt 列テキスト ファイルで指定されているユーザーのリストに関連付けられているすべてのエントリ (共有エントリを含む) が削除されます。'Documents' フォルダー内のすべての共有ファイルの場合:
Users.txt ファイルの例:
DOMAIN\User1
DOMAIN\User2
DOMAIN\User3
…
DOMAIN\UserX