QlikView ドキュメントの Qlik Sense アプリへの手動変換
QlikView ドキュメント (QVW ファイル) を手動で Qlik Sense アプリに変換できます。Dev Hub へのアクセス権がある場合は、QlikView から Qlik Sense へのコンバーター ツールを使用してプロセスを簡素化できます。
QlikView から Qlik Sense へのコンバーターについては、Qlik Sense 開発者サイトで説明されています。
詳細については、「QlikView converter (英語のみ)」を参照してください。
前提条件
- QlikView ドキュメントを Qlik Sense アプリに変換するには、Qlik Sense Desktop がインストールされている必要があります。
- 大きな QlikView ドキュメントを変換する場合、コンピューターに十分なメモリ (最小でも 32 GB) が必要です。
- QlikView ドキュメントに隠しスクリプトが含まれている場合、またはセクション アクセスが使用されている場合は、そのドキュメントの隠しスクリプトやセクション アクセスへの完全なアクセス権が必要となります。
ドキュメント変換前に行う処理
QlikView リスト ボックスやマルチ ボックスの [1 個の値を常に選択] プロパティは、Qlik Sense アプリでの選択をクリアするため無効にする必要があります。QlikView ドキュメントに隠しスクリプトが含まれていたり、セクション アクセスが使用されている場合、変換する前にドキュメントを適用しておく必要があります。
隠しスクリプト タブの変換
隠しスクリプトを含む QlikView ドキュメントを変換すると、隠しスクリプト部分が無視され、Qlik Sense スクリプトに含まれなくなります。スクリプト全体を変換したい場合は、ドキュメントを変換する前に次の手順を実行してください。なお、この手順では QlikView ドキュメントに含まれる隠しスクリプトへのアクセス権が必要となります。
次の手順を実行します。
- QlikView [スクリプト エディター] でドキュメントを開きます。
- 隠しスクリプトのタブからコードをコピーし、標準スクリプトのタブに貼り付けます。
- ドキュメントを保存します。
セクション アクセス コードの削除
形式およびサポート対象の機能が異なるため、セクション アクセスのある QlikView ドキュメントを Qlik Sense にインポートすることはできません。ただし、手動でドキュメントを変換することは可能です。
次の手順を実行します。
- QlikView [スクリプト エディタ] でセクション アクセス コードを削除してからドキュメントを変換してください。この手順では、ドキュメントに含まれるスクリプトへのアクセス権が必要です。
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ドキュメントをアプリに変換します。
詳細については、「ドキュメントのアプリへの変換」を参照してください。
-
Qlik Sense アプリでセクション アクセスを再度適用します。このとき、次のような相違点を考慮する必要があります。
- ユーザー認証が変更されている。すべてのユーザーの認証に USERID 項目が使用されており、NTNAME および PASSWORD 項目は対応していない。
- スクリプトへのアクセス権はあってもデータにはアクセスできない場合、データを使用せずにアプリを開き、セクション アクセスなどのスクリプトを編集することも可能です。
- セクション アクセスを適用するには、Qlik Sense で強制排除を使用します。つまり、この方法ではアクセスを付与されたデータのみが表示されます。
詳細については、「Section Access によるデータ セキュリティの管理」を参照してください。
エクスポートから除外される QlikView 変数
一部の変数は、QlikView にのみ関連しているか、Qlik Sense での処理が異なるため、QlikView ドキュメント (QVW) からエクスポートされません。
以下の変数は QlikView ドキュメントからエクスポートされません。
- 先頭が CD となっているすべての変数
- 先頭が FLOPPY となっているすべての変数
- QvPath
- QvRoot
- QvWorkPath
- QvWorkRoot
- WinPath
- WinRoot
- ErrorMode
- StripComments
- ScriptErrorCount
- ScriptError
- ThousandSep
- DecimalSep
- MoneyThousandSep
- MoneyDecimalSep
- MoneyFormat
- TimeFormat
- DateFormat
- TimestampFormat
- MonthNames
- DayNames
- ScriptErrorDetails
- ScriptErrorList
- OpenUrlTimeout
- HidePrefix
- FirstWeekDay
- BrokenWeeks
- ReferenceDay
- FirstMonthOfYear
- CollationLocale
- LongMonthNames
- LongDayNames
ドキュメントのアプリへの変換
次の手順を実行します。
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アプリのあるディレクトリに QlikView ドキュメント (qvw 形式) をコピーします
通常は <user>\Documents\Qlik\Sense\Apps ですが、Apps ディレクトリの場所は Qlik Sense Desktop のインストール先により異なります。
-
Qlik Sense Desktop を起動します。
ハブにアプリが含まれた QlikView ドキュメントが表示されます ((qvw) で終わるドキュメント名)。
- アプリをクリックして開きます。
アプリは、QlikViewドキュメント (qvw ファイル) が保存されているフォルダにQlik Sense形式 (qvf ファイル) で保存されます。 また、QlikViewドキュメントのファイル (qvw) がフォルダから削除され、<user>\Documents\Qlik\Sense\AppsBackupに保存されているバックアップ ファイル (qvw.backup) に自動的に変換されます。
これで QlikView ドキュメントが Qlik Sense アプリに移行されました。アプリには、ロードされたデータやデータ ロード スクリプトなどのデータ モデルが含まれています。
データ モデルは、ビジュアライゼーションの構築ができるほか、Qlik Management Console (QMC) を使ってサーバー環境にコピーしたりインポートしたりすることも可能ですが、データ モデルをリロードする前にロード スクリプトを適用しておく必要があります。
詳しくは「Qlik Sense サイトの管理: アプリのインポート」を参照してください。
Qlik Sense でのデータ ロード スクリプトの適用
Qlik Sense および QlikView データ ロード スクリプトにはある程度の互換性がありますが、考慮すべき相違点がいくつか存在するため、データをリロードする前にデータ ロード エディターでスクリプトを適用しておく必要があります。スクリプトの適用は Qlik Sense Desktop で直接行う方法と、アプリを Qlik Sense にインポートしてから行う方法があります。
ファイル パス参照をデータ接続に変更する
QlikView では Qlik Sense の標準モードで対応していない完全ファイル パスおよび相対ファイル パスを使用するため、ファイルの場所を指定するには、フォルダー データ接続を使用しなければなりません。
次の手順を実行します。
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データ ロード スクリプトで使用されているすべてのファイル パスへのフォルダー データ接続を作成します。
詳細については、「データ ソースへの接続」を参照してください。
ここで、ファイルを参照するステートメントや関数をチェックする必要があります。LOAD ステートメントが最も一般的ですが、ステートメントはその他にも多数あります。
詳細については、「ファイル システム アクセス制御」を参照してください。
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スクリプトに含まれる完全ファイル パスおよび相対ファイル パスへのすべての参照を、作成したデータ接続への lib:// 参照で置換します。
例 QlikView に含まれる元のスクリプト 適用された Qlik Sense スクリプト LOAD * FROM [C:\data\Tutorials source\Sales rep.csv];LOAD * FROM [lib://Tutorials source/Sales rep.csv];この場合、Tutorials source フォルダー データ接続は、C:\data\Tutorials source\ またはデータがある場所 (アプリを別のコンピューターや Qlik Sense サーバーに移動した場合) を指していなければなりません。
FileSize('C:\data\Tutorials source\Sales rep.csv')FileSize('lib://Tutorials source/Sales rep.csv')for each Dir in dirlist ('C:\data\Tutorials source\*' )for each Dir in dirlist ('lib://Tutorials source/*' )詳細については、「For each..next」を参照してください。
サポート/推奨されていない機能の扱い
QlikView には、Qlik Sense でサポートされていない、あるいは使用が推奨されていない機能が搭載されています。以下はその一例です。
- 入力フィールド
- メッセージ ボックス
- Bundle および Info ロード
- ALL 修飾子
サポート対象外/非推奨のステートメントおよび機能のリストを確認し、推奨事項に従ってスクリプト コードを修正することをお勧めします。
詳しくは「Qlik Sense が対応していない QlikView 関数とステートメント」と「Qlik Senseでの使用が推奨されていない関数とステートメント」を参照してください。
カスタム コネクターのインストール
QlikView ドキュメントでカスタム コネクターを使用してデータにアクセスしている場合、スクリプトを変更することなく Qlik Sense でもデータをロードできます。ただし、これには Qlik Sense コンピューターに同じコネクターがインストールされている必要があります。
カスタム コネクターを使用してデータ選択を変更したい場合、Qlik Sense に適用されたバージョンのカスタム コネクターをインストールしてください。
詳しくは「カスタム コネクターのダウンロードとインストール (英語のみ)」を参照してください。